肝積は 二本の長いヒゲを持ち、女性の乳房のような形をした虫で、左の脇腹から胸の両角にかけて進むとされました。この虫が宿ると宿主の顔は青ざめ、油臭いものを嫌い、すっぱい味を好むようになると信じられていました。
基本情報
| 名前(読み方) | 肝積(かんしゃく) |
| 別名(読み方) | 肥気(ひき) |
| 形状 | 顔面型・岩石型 |
| 虫の居所 | 肝臓:左の脇腹から胸の両角(大胸筋のあたり)に進む |
虫の特徴(外観・習性など)
- 外観:二本の長いヒゲを持ち、女性の乳房のような形(顔が乳頭、体が乳房)。
- 図では顔と腹は赤、背は黄色で描かれている。
虫の起こると(宿主への影響)
- 肌色: 宿主の顔が青ざめる
- 嗅覚: 油臭いものを嫌う
- 味覚: すっぱい味を好む
- 性格:怒りやすくなる
虫の抑え方(対処法)
- 鍼術: 虚証(体力不足)と実証(体力充実)で異なるとされた
その他
五行(ごぎょう)という考え方では、体の左側は「土(つち)」にあたり、色は青とされています。ところが肝臓にできる病気のかたまり「肝積」は、赤や黄色で表されているのです。つまり、五行の理論と本書との描き方には少しちがいがあったことが様子がうかがえます。